サブスペシャルティー

昭和大学救急災害医学講座では、救急診療や災害医療、集中治療医学、病院前救護等を軸としながら、
救急医としてさらなる高みを目指したサブスペシャリティ研修も可能です。

サブスペシャルティー領域の研修~内視鏡編~

サブスペシャルティーを決めるまで

私は初期臨床研修医の時から内視鏡に興味を持っており当初は消化器内科への専攻を希望していました。しかし、実際に救急の現場での生と死が隣り合わせにある緊張感と、そしてそんな状況における内視鏡治療の活躍を目の当たりにして自分が何科にすすむのか苦悩していました。そんな矢先、救急の医局の先輩から救急をやりながらも、内視鏡の勉強にも出させてもらうという選択肢をいただき、自分は自分の望む二つの道を進ませてもらえるならと救急への道、そしてそれと同時に内視鏡の道へと進みました。

サブスペシャルティー研修、内視鏡研修の流れ

救急専攻医1年目から週1回の頻度から内視鏡の研修をさせていただいており、普段内視鏡研修は救急含め関連施設である戸塚共立第1病院、いずみ記念病院などの内視鏡指導施設において指導をいただいています。
診断、そして治療内視鏡を、救急専攻医を進めながらもたくさんの症例を経験させていただきました。
初めは上部消化管内視鏡検査もスクリーニングから始めるも右も左もわかりませんでした。そんな中で、たくさんの先輩たちから指導をしていただき修練を重ね、症例を重ね大腸内視鏡そしてESDやECRP、EVLの機会をいただくほどに修練を重ねさせていただいています。
日々の修練のおかげでこれまで上部消化管内視鏡検査では約500件、下部消化管内視鏡検査では約200件ほど術者として機会をいただき、その中で2023年1月に救急科専門医を取得しとことで、現在2段階目である内視鏡専門医の取得を目指しています。
やりたいことがたくさんあって困ってしまうという欲張りな人ほど向いており、そしてそんな人に対応できる医局です。ぜひ一緒に働ける日を待っています。

サブスペシャルティー研修~小児科編~

小児科でのサブスペシャルティー研修を決めるまで

突然ですが、目の前で高齢者の方と子供が倒れていたらどちらを助けますか?目の前で敗血症と外傷の患者がいたらどちらを助けますか?
私は中学生時代に小児科医を志しました。
なぜなら「子供を救うのは未来の子供たちを救うこと」と考えたからです。初期研修医の後半までこの気持ちは変わりませんでした。
しかし、冒頭の問いの答えはどうでしょうか。自分が内科医だったら、整形外科医だったら・・・。正解はないと思いますが、欲張りな私は全員を助けたいと思います。
「目の前の困っている人を救いたい」その思いで、救命救急科への入局を決意し、研修を開始しました。多発外傷、中毒、プレホスピタル、ドクターヘリ、災害医療、重症患者の管理など学びの多い救急研修を終えました。
そして、「子供を救うのは未来の子供たちを救うこと」という考えは変わらずに、さらなるステップアップとして小児科専攻医としてサブスペシャルティー研修を開始しました。

小児科での専攻医について

専門医プログラムに入らずに小児サブスペシャルティー研修を数年間行う方法もありますが、小児の基本的な診療を網羅的に学びたいと考え、専門医基本プログラムである小児科専攻医としての研修をスタートしました。
物言えぬこどもへの対応や心配する親の配慮など戸惑うこともありますが、救急で学んださまざまな手技や経験が活かされることも多いです。希少疾患からありふれた疾患まで、診断から治療まで、急性期管理から慢性期管理まで網羅的に研修できるのが専攻医の魅力だと思います。
また、現行制度では専攻医を行わないと専門医資格を取れないため研修を形として残すためにも小児科専門医取得を目指しています。小児科研修の傍らで週1日は救急外来で成人を含む救急科としての診療を行っています

これまでの研修と今後の展望

2016年~2017年 初期臨床研修医
2018年~2020年 救急専攻医研修
2020年 博士号取得
2021年 救急専門医取得
2025年 小児科専門医取得を目指す

小児科での研修を終えたら、小児から大人まで、内科疾患から外科疾患まで幅広い初期診療・初期管理のできる医師を目指しています。
救急外来や集中治療室だけではなく、プレホスピタル、高齢者や医療的ケア児の在宅診療、災害対策など様々な場面を想定しながら研修を行っています。ぜひ、一緒に未来を救う医療を志しませんか。

サブスペシャルティー領域の研修~IVR編~

サブスペシャルティーを決めるまで

私は入局当初,小児科や内科系に強い救急医を志していました。専攻医の間に多発外傷や産科危機的出血の症例を数多く経験したことで、救急医として何らかの止血術を持つことを漠然と目指すようになりました。そのような中で、救急と同じように全ての科に精通することが求められ、低侵襲で非常に効果的な治療を行うことの出来るInterventional Radiology(IVR)に興味を持ち、研修に出ることに決めました。

サブスペシャルティー研修に出るまでの流れ

専攻医3年間を終えた卒後6年目に救急科専門医を取得し、翌年の卒後7年目から放射線科に出向して2年間のIVR研修を行うことにしました。
また、当プログラムでは3年間の救急研修中に必ず集中治療を学ぶ期間があるため、サブスペシャルティーの1つである集中治療専門医は希望者は必ず取れるようになっています。私は放射線科出向中の卒後7年目に集中治療専門医も取得することが出来ました。

IVR研修について

研修は昭和大学病院放射線科へ出向して行っています(2023年現在)。週4日は定期のIVR枠があり、術前TAEやTACEなどのVascular IVR,CTガイド下生検やCTガイド下ドレナージなどのNon vascular IVRなどを日々行っています。また定期IVRが入っていない時間や定期枠の無い曜日には読影業務も行い、放射線科診断専門医の指導を受けながら一次読影も行っています。
昭和大学病院のIVRの特色として救命センターを持つ大学病院であるため、緊急でのTAEが1~2回/週で入ってきます。これは救急IVR医を目指す上で非常に魅力的な環境です。特に都内に6施設しかないスーパー総合周産期センターであるためスーパー母体搬送での産科危機的出血が多く、救急医、産婦人科医と共にIVR医が活躍しています。1年間で300症例以上を8割術者、2割第1助手で経験させてもらっています。ここまで症例経験を積めるのは同病院で研修を行えるメリットだと考えています。
今後は2年の研修の後に旧IVR専門医(現在、救急IVR認定医が整備中)の取得を目指します。是非救急IVRに興味を持つ先生方と一緒に働ける日を楽しみにしています。

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